WebSurfer's Home

トップ > Blog 1   |   ログイン
APMLフィルター

React で日本語を使うとコンパイルエラー / 文字化け

by WebSurfer 2022年4月10日 14:26

Visual Studio 2019 / 2022 の「React.js での ASP.NET Core」のテンプレートで作ったプロジェクトで、自動生成された Home.js とか Counter.js などに以下のように <p>日本語</p> という日本語を書き加えると Unexpected character '�' というエラーメッセージが出てコンパイルエラーになります。文字によってはコンパイルは通りますが文字化けします。

Home.js に日本語追加

フレームワークを .NET Core 3.1 としてプロジェクトを作って同様なことをすると、ブラウザに空白画面が表示されるだけなので何が起こったのか分からないと思いますが、.NET 6.0 とするとコマンドラインに以下のように表示されます。(コンパイルエラーにならない場合は文字化けしてブラウザに表示されるので分かります)

コマンドラインのエラーメッセージ

ブラウザにも以下のようにエラーメッセージが表示されます。

ブラウザのエラーメッセージ

文字によってはコンパイルは通り、ブラウザには結果が表示されますが、日本語の部分は文字化けします。 (コンパイルが通るもの / 通らないものの違いは不明です)

原因は Visual Studio で編集して保存する時ファイルの文字コードが Shift_JIS になってしまうからです。下の画像は Home.js をバイナリエディタで表示したものですが「日本語」の部分が 93 FA 96 78 8C EA と Shift_JIS になっているのが分かるでしょうか。

バイナリエディタで表示

何故そんなことになってしまうかというと、Visual Studio の設定がそうなっているからです。下の画像を見てください。Home.js の「保存オプションの詳細設定」ですが、そこで[エンコード(E)]が「日本語 (シフト JIS) - コードページ 932」になっているのに注目してください。

保存オプションの詳細設定

このため日本語を書き込んで保存すると Shift_JIS になってしまい、UTF-8 を期待している React ではコンパイルエラーまたは文字化けするということです。Home.js 以外にも ClientApp/src フォルダのほとんどのファイルがその設定になっていますので注意してください。

解決策は、下の画像のように[エンコード(E)]を「Unicode (UTF-8 シグネチャなし) - コードページ 65001」として上書きすることです。

保存オプションの詳細設定

または、メモ帳で問題の .js ファイルを開いて[文字コード(E)]を BOM なし UTF-8 に設定して上書きすることでも OK です。一旦メモ帳で BOM なし UTF-8 で保存してしまえば、その後は Visual Studio で .js ファイルを開いて日本語を書き込んでも UTF-8 で保存されるのでこの問題は起こりません。(詳しい仕組みは分かりませんが、Visual Studio の「保存オプションの詳細設定」設定に反映されるようです)

なお、BOM 付き UTF-8 にすると下の画像のように Unexpected Unicode BOM (Byte Order Mark) という警告が出ますので注意してください。(「保存オプションの詳細設定」でシグネチャ付きというのは BOM 付きのことですので注意)

BOM による警告

BOM 付きでもコンパイルエラーにはならず文字化けもしませんが、そこは警告に従って BOM なし UTF-8 にするのが良さそうです。

Visual Studio を操作して[追加(D)]⇒[新しい項目(W)...]で「JavaScript ファイル」を選んで作成すると BOM 付き UTF-8 になることに注意してください。コンパイルは通りますが、やはり Unexpected Unicode BOM (Byte Order Mark) という警告が出ます。

React プロジェクトでは ClientApp/src フォルダの .js ファイルだけでなく、Program.cs や Startup.cs でも保存オプションはデフォルトで「日本語 (シフト JIS) - コードページ 932」になっています。そこは ASP.NET Core プロジェクトでも同じです。

Program.cs や Startup.cs は Visual Studio が読んで処理を行いますので正しく文字コードが解釈され Shift_JIS でも問題は出ないはずです。ただ、ちょっと特殊な話ですが問題事例はありました。興味がありましたらTeratail のスレッド「asp.net.coreでの文字化けを解決したい。」を見てください。これはブラウザに送信する際は UTF-8 になっていたが、応答ヘッダやメタタグで文字コードの指定をしてなかったので、ブラウザが Shif_JIS として処理して文字化けを起こしたというもので、開発者のミスに近いものですが。

この記事の React の .js ファイルの話は、昔々 .NET Core 1 時代の MVC アプリで経験した「ASP.NET Core で文字化け」の .cshtml ファイルの件と似た話です。Microsoft も文字コードの問題はなかなか気が付かないのでしょうね。

Tags: , , , ,

React

About this blog

2010年5月にこのブログを立ち上げました。主に ASP.NET Web アプリ関係の記事です。

Calendar

<<  2024年3月  >>
252627282912
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31123456

View posts in large calendar