by WebSurfer
31. January 2024 20:15
JavaScript の console.log() で開発者ツールの Console に JavaScript オブジェクトや html 要素 (DOM) を出力すると、Console を開いた時点での内容 (下の (1) の時点での内容ではなくて) が表示されるという話を書きます。
Qiita の質問「javascriptとブラウザのコンソールについて」で調べたことですが、忘れそうなので自分のブログに備忘録として残しておこうと思った次第です。
上の画像の JavaScript のコードの (1) を見てください。obj = { prop: 123 } という JavaScript オブジェクトを作成してから即 console.log(obj) とし、その後で prop の値を 456 に書き換えています。しかしながら、コンソールを開いて見ると prop が書き換えられた後の 456 という結果が表示されています。
これは、MDN のドキュメント console.log()
に書いてあるように、"Chrome や Firefox の比較的新しいバージョンを使っているなら注意が必要です。これらのブラウザーで記録されるのはオブジェクトへの参照です。そのため、 console.log() を呼び出した時点でのオブジェクトの「値」が表示されるのではなく、内容を見るために開いた時点での値が表示されます" ということによります。
コード上で console.log() とした時点での JavaScript オブジェクトのログを取りたい場合は、MDN のドキュメントに書いてあるように "console.log(obj) を使わず、 console.log(JSON.parse(JSON.stringify(obj))) を使用してください" とするのが良さそうです。それが上の画像の JavaScript のコード (2) です。
Console を開いた時点での内容が表示されるというのは、JavaScript オブジェクトだけでなく、 html 要素 (DOM) を JavaScript で書き換えても同じことが起こります。
上の画像の (4) を見てください。JavaScript で html の p 要素を生成して id と textContent を設定してから即 console.log(p) し、その後で id と textContent を書き換えています。しかし、Console には書き換えた後の結果が表示されています。
コード上で console.log() とした時点での p 要素のログを取りたい場合は、p.outerHTML を出力するのが良さそうです。それが上の画像の (5) です。
JavaScript はブラウザ依存ですが、Windows 10 PC の Edge 121.0.2277.83, Chrome 121.0.6167.140, Firefox 122.0, Opera 106.0.4998.66 で試して同じ結果となることは確認しました。