Visual Studio Community 2022 Version 17.13.5 で ASP.NET Web アプリを IIS Express 上で動かそうとしたら、開発用のサーバー証明書が期限切れとなっていたので更新したのですが、一筋縄ではいかなかったので、その時の顛末を書いておきます。

上の画像の通り、開発用のサーバー証明書には 2 種類あって、フレンドリ名 IIS Express Development Certificate が IIS Express 用、ASP.NET Core HTTPS development certificate が Kestrel 用です。いずれも自己署名証明書で、Visual Studio で作業を行う際に生成されます。
ちなみに上の画像の証明書は今日 2025/4/4 に新規作成したもので、有効期限は作成日から IIS Express Development Certificate が 5 年、ASP.NET Core HTTPS development certificate が 1 年となっています。
有効期限が切れたら Visual Studio が自動的に更新してくれると思っていたのですが、少なくとも Visual Studio Community 2022 Version 17.13.5 ではそうではなかったということで、どのように対応したかをこのブログに備忘録として書いておくことにした次第です。
古い証明書が残ったままではダメなのかと思って、上の画像の管理コンソールの「信頼されたルート証明書」の「証明書」にある期限切れの IIS Express Development Certificate を削除してから Visual Studio 2022 で ASP.NET Web アプリを起動して IIS Express で動かしてみました。しかしながら、新しい証明書が発行されることはなかったです。さらに、古い証明書は削除済みにもかかわらず、ブラウザ上にはそれを使っているという警告が出ます。Visual Studio 2022 を再起動してから試してみたのですが同じでした。
2025/4/10 追記: 今頃気づいたのですが、期限切れの証明書は削除したのにブラウザ上にはそれを使っているという警告が出るのは、どこかで証明書情報がキャッシュされているからという可能性が高そうです。管理コンソールで期限切れの証明書を削除した後、まずはブラウザのキャッシュの削除と「SSL 状態のクリア(S)」(下の画像参照) を行うべきだったかもしれません。

Visual Studio 2022 の不具合かと思って、Visual Studio Community 2019 Version 16.11.45 を起動して試してみました。すると、Microsoft のチュートリアルの「アプリを実行する」のセクションにあるダイアログ(下の画像参照)が出てきたので[Yes]ボタンをクリックして証明書を作成、


・・・できたと思ったのですが、状況は変わらなかったです。
Visual Studio 2022 で ASP.NET Web アプリを起動して IIS Eaxpress で動かしてみると、依然として、ブラウザ上には管理コンソールで削除した期限切れの証明書を使っているという警告が出ます。Visual Studio 2019 と 2015 でも試してみましたが状況は同じでした。管理コンソールで「信頼されたルート証明書」の「証明書」の中身を見ると、削除した期限切れの証明書は存在しませんし、上の Visual Studio 2019 の操作で発行されたと思った新しい証明書もありませんでした。
ググってヒットしたネットの記事を見ると C:\Program Files (x86)\IIS Express フォルダにある IisExpressAdminCmd.exe コマンドを使って対応するという記事を目にしました。調べてみましたがそのコマンドの Microsoft のドキュメントは見つかりませんでしたので、実行結果がどうなるのか詳しいことが分かりません。
そういう訳の分からないコマンドを実行する勇気は自分にはありませんでしたので、さらにググって調べてみると、stackoverflow の記事 How do I restore a missing IIS Express SSL Certificate? の回答に IIS Express を修復して解決したとありましたので試してみました。(回答に "I typically run appwiz.cpl to launch the old control panel applet and run repair from there." とありますが、appwiz.cpl を起動するのは自分の Windows 10 では「コントロールパネル」から「プログラムと機能」を立ち上げたのと同じです)

その後で ASP.NET Web アプリを Visual Studio 2022 から IIS Express 上で実行してみました。やはり、ブラウザ上には証明書が期限切れという警告が出ました。しかしながら、ブラウザに表示された証明書の有効期限は、当初のホントに期限切れとなっていた証明書の日付とは異なり、たぶん Visual Studio 2019 で作業した時に再生されたと思われる新証明書の有効期限 2030/04/04 となっていました。なぜ、ブラウザは有効期限が 2030/04/04 と 5 年も先と認識しているのに、期限切れという警告を出したのか謎です。
Visual Studio 2022 を再起動して試してみると、今度はブラウザ上では警告なしで目的のページが表示されました。管理コンソールで「信頼されたルート証明書」の「証明書」の中身を見ると、この記事の一番上の画像の通り有効期限が 2030/04/04 の IIS Express Development Certificate が含まれていました。
IIS Express Development Certificate は IIS Express が発行するとのことですが、IIS Express に証明書を発行させて所定の証明書ストアに配置し警告を出さずに動くようにするのは Visual Studio の仕事のようです。何故かその連携がうまく行ってなかったのが、IIS Express の修復で解決できたのでしょうか?
一体どうなっているのかは自分には分かりません。これ以上深く追求する気力はありませんので、次回同様な IIS Express Development Certificate 期限切れ問題が出たら、上に書いたことを参考に解決に当たりたいと思っています。
ちなみにですが、Visual Studio 2022 のテンプレートを使って ASP.NET Core アプリのプロジェクトを作成すると、現在のところデフォルトでは Kestrel 上で動くように設定されています。
アプリを IIS Express 上で動かすには下の画像のように Visual Studio のドロップダウンメニューで IIS Express を選びます。

それにより、IIS Express を使ったインプロセスホスティングモデルで動くようになります。

もう一つ、Kestrel 用の証明書 ASP.NET Core HTTPS development certificate の更新については、たぶん Visual Studio が自動的にやってくれると思いますが、もし自動更新がされない場合は、先の記事「dotnet dev-certs https コマンドについて」に書いたとおり、dev-certs https コマンドを実行して更新できます。
先の記事の手順、(2) dotnet dev-certs https --clean 実行、(4) dotnet dev-certs https 実行、(6) dotnet dev-certs https --trust 実行で新規作成したのがこの記事に一番上の画像にある ASP.NET Core HTTPS development certificate です。